当院での診療について
こころの病気は身体・心・社会という3つの側面から把握する必要があります。その理由は、この3つはそれぞれ独立したものではなく、相互に関連し合い、作用しあって病気をもたらしていると考えられるからです。具体的には、身体(体質、身体の状態)、心(精神的・心理的状態)、社会(ストレス、生活環境)が複雑に関連し、重なりあって、こころの病気が引き起こされると考えられます。
当院では、この3つの側面にアプローチし診療致します。
身体の側面へのアプローチとして、身体の病気やすでに服用されているお薬の有無・種類を考慮しつつ、必要に応じて薬物療法を行います。さまざまな医療情報に簡単にアクセスしうる現在、受診される前に、すでに、良かれと思われること、例えば運動習慣や食事など栄養面に気遣われたかもしれません。これらは確かに重要ですが、病状によっては最新の良質な医療情報に基づき、躊躇せず薬物療法をおこなうことが必要です。ただし、当院では、必要最小限かつ依存性の少ない処方を心がけます。また必要に応じ漢方薬を処方する場合があります。
心の側面へのアプローチとして当院では、支持的精神療法などを行います。構造化された認知行動療法は行いませんが、診察の中で、必要に応じて認知行動療法の要素を取り込むようにしています。また、臨床心理士によるカウンセリングなども診療に組み込んでゆくつもりです。
社会の側面のアプローチとして、患者さんを取り巻く環境や対人関係を考慮し、その調整を図ります。診療のゴール【無理なく日常生活、社会生活を送れること】に達するには、ご家族や周りの方の協力も必要だからです。
対象疾患
からだに原因があるこころの病気
てんかん | 認知症 | 症状精神病 |
ストレスなどによるこころの病気
うつ状態 | 適応障害 | 自律神経失調症 |
原因がはっきりしないこころの病気
うつ病 | 双極性障害 | 不安障害 |
パニック症 | 病気不安症/心気症 | 恐怖症 |
強迫症/強迫性障害 | 社交不安症/社交不安障害 | 身体症状症 |
妄想性障害 | 自閉スペクトラム症 | 統合失調症 |
臨床心理士との連携による治療
診断時または治療を進める過程では、必要に応じて臨床心理士による心理検査(保険診療内)やカウンセリング(自費診療)を提案させていただくこともあります。